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「和歌山大学教育ビジョン2023」

 

「和歌山大学教育ビジョン2023」の公表にあたって
 
高等教育を取り巻く状況は、大きく変化してきています。少子高齢化やAI,IoT,ビッグデータ処理などICT技術の発達で、社会構造や社会システムが変容し、人と機械の役割分担が変わりつつあります。次世代の能力として、新しい観点で事物や社会を捉え、自ら独自の視点で考える力を身につける教育が必要とされています。学び続ける姿勢や国際性、ダイバーシティ環境での協調性も重要な観点となっています。
 そのような中、和歌山大学では、2018年度に教育の内部質保証の一環として教育担当理事のもとに「教育改善推進専門部会」を置き、大学教育の質の向上を図っています。
 この度は2023年の和歌山大学における教育の姿を「和歌山大学教育ビジョン2023」として提示し、各学部?研究科?各センター等がこれに向けたアクションを開始します。和歌山大学は、この教育ビジョンのもと、恵まれた自然環境と文化遺産を活かした、豊かな人間性を育てる教養教育と一つの専門性に偏らない分野横断的な専門教育により、地域を知るとともに和歌山から世界へ広がる視野を備えて地域?世界に大きく貢献できる人材を育成します。
 なお、本教育ビジョンは、外部有識者のご助言もいただき策定をしてきました。本ビジョンに基づく和歌山大学の取組に、今後とも皆様のご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。

2019年3月      
学 長  瀧  寛 和

 

和歌山大学教育ビジョン2023
和歌山大学の教育目標を踏まえつつ、幅広く深い教養と自らの専門分野の確かな知識?技能と、それらを課題の解決に活用できる応用力を備えた自立した社会人の育成を図ります。
学士課程においては、
(1)変革期にある時代を洞察し、社会の変化に応じて自らを変えることのできる対応力
(2)地域から日本、日本から世界を見る視野の広さと、他者と協働して成果を上げる協調性とコミュニケーション能力
(3)主体的に学修に取り組む姿勢と生涯にわたって学修する向上心を涵(かん)養します。
大学院課程の学生には、より高度な専門性の修得が求められます。和歌山大学の各研究科では、学生がそれまでに身に付けた基礎の上に、高度な専門性と学際性、先見性と創造性、専門家としての倫理観を備えた人材を育成します。


アクション1.変革期の社会で通用する教育を推進
 複雑化する社会に対応できる能力を学生が身に付けられるように、一つの専門性に偏らない教育課程を編成します。そのために、必要に応じて学部をまたがる教員チームが担当するコア科目を導入します。教員の研究水準を維持するとともに、大学教育に関する研究会の開催、研修会への派遣等FDの取組を充実させて教職員の教育力を高め、優れた事例を学内外に積極的に発信します。
 知識基盤社会においては大学院課程の教育の重要度が高まっています。学士課程での学修を基礎に更に高度な知識?技能、応用力と倫理観を身に付け、社会からの多様なニーズに応えられるように柔軟なカリキュラムを編成し、高度専門職業人としての学生の対応力の向上を図ります。

アクション2.地域と世界を視野に置く教育を推進
 地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)を引き継ぐ「紀の国大学」をはじめとして、必要に応じて学外の専門家を加えた「わかやま」の地域性を生かす教育を継続、充実させます。
 学問的な意味での専門性?一般性と地域性?固有性を相乗的に作用させて、地域から世界に広がる視点を得るために「地域教養」科目を開設します。専門教育においても、カリキュラム全体と個々の授業において、地域性?国際性を生かした編成?内容を採ります。
 グローバル化の一環として、学生の海外派遣と留学生の受入れを拡大します。特に留学生と日本人学生の交流の機会と場を増やし、国際社会で活躍する人材を育成します。
 大学院課程においても、地域を視野に入れて更にグローバルな視点から先見性?創造性を発揮できるように、教養を深める教育を進めるとともに分野横断的な専門教育を行います。

アクション3.他者と協調し自ら学修する主体性を涵(かん)養
 和歌山大学は、授業「自主演習」の開講をはじめとして、学生が主体となる学修活動に特色を持っており、これを更に推進します。全ての学生に、学修の成果を上げるために学生同士の協力?協働が大切であることを教え、学生一人ひとりが個性に応じた主体的な学修を行える環境を整えます。また、学生アンケート等も取り入れながら教育成果の検証を不断に行います。

アクション4.新時代に必須な数理?データサイエンス教育を推進
 社会構造の変革をもたらす大きな要因がAI(人工知能)の進化であり、広く情報分野の基礎的な知見を全学生が修得できるように数理?データサイエンス教育を推進します。

アクション5.学びの場のユニバーサルデザイン化を推進
 様々な特質を持つ個性が交わり互いに尊重し合う姿勢が、学修環境を整えて学修成果を豊かなものにします。和歌山大学は、多様な背景と学修動機を持つ学生一人ひとりが主体性を持って学び合いながら学修に取り組めるようにダイバーシティを推進します。
 特別な配慮を要する学生に対して、ニーズを的確に把握して支援を行い、キャンパス内のユニバーサルデザイン化を専門機関からの助言を得ながら更に進めます。

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