「春夏秋冬の哲学」受講生
日本の神髄は、川端康成が、ノーベル賞受賞時の講演「美しい日本の私」のなかで紹介した『春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり』という季節の歌の中にあると教えていただいた。
人生も、青春?朱夏?白秋?玄冬というように、季節の4つの単位に表すことができる。しかし、近年、人間活動が地球環境を壊し、季節感が薄らいできている。ノーベル賞受賞が今であれば、川端康成は日本をどう紹介するだろうかとも思う。
日本の神髄に迫る手立ては、代々詠み継がれてきた和歌にある。日本文化を突き詰めると、和歌に行き当たる。その和歌を詠んできた原点は天皇である。スメラミコトと言われるように、天皇は言葉を通して、神と人々を繋ぐ役目をはたしてきた存在である。
日本文化は、和歌をもとにして築かれた。和歌から、連歌?俳句?狂言?能?文楽?歌舞伎?随筆?日記などの日本文化の基礎となるものが創れられてきたことを学んだ。