低炭素社会をめざした環境と経済の好循環の促進
再生可能エネルギーを活かした、持続可能な地域づくりの取り組みが求められています。
和歌山は、再生可能エネルギーの供給を含めて、生態系が私たちに供給するサービスが豊かな地域です。この生態系サービスの質を高めるためには、人間が賢く生態系とつきあい、支えながら、生態系が生み出す恵みを地域に巡らせることが重要です。そのための技術や社会のしくみを作り出すところに、科学的な貢献が求められています。
例えば、
- 再生可能エネルギー源である木質バイオマスの価値を促進させるため、J-クレジット(温室効果ガスの排出削減量?吸収量を認証する制度)を活用して、山から間伐材や林地残材を運び出す住民に商品券を渡してエネルギーの地産地消を促す
- 陸上の森林などに蓄積される炭素(グリーンカーボン)だけでなく、沿岸域の海洋生態系に蓄積される炭素(ブルーカーボン)の価値を認証して、豊かな里海を育みながら低炭素社会と地域づくりを行う
といった先導的な取り組みによる「環境と経済の好循環」の効果の評価に取り組んでいます。
具体的には、小地域の産業連関表を作成してエネルギーの地産地消効果を分析したり、消費者がこのような環境価値を認識する構造をアンケートや統計手法によって解析するなど、低炭素社会をめざした環境と経済の好循環に関する知見を、実践的に明らかにすることを試みています。