日野 良太 さん
勤務先 |
株式会社 大林組 本社 エンジニアリング本部 環境技術第1部 環境技術第1課 |
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Q. | 現在の勤務先の業種と業務内容の種類を教えてください. |
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A. |
業種:建設業(土壌環境エンジニアリング) 業務内容:土壌汚染浄化対策工事の現場支援、研究開発の業務に携わっています。 |
Q. | 現在携わっている仕事内容について教えてください. |
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A. |
現在、土壌汚染対策工事に関する業務に携わっており、私の業務内容は大きく分けると2つあります。
土壌汚染は工場の跡地などで確認されることが多いですが、近年は法律の改正によって、自然由来で汚染された土壌も場外搬出する際は、汚染土壌として処理しなければならなくなりました。これによって、工場跡地だけでなく、建物の構築前やトンネルの削孔時などで調査を行うと、様々な場所から汚染土壌が確認されます。汚染土壌が確認された場合、浄化方法の検討やお客様との協議など各現場だけでは対処しきれないことがありますので、私たちが支援します。また、浄化方法の検討を行うにあたって、工事を受注するためには、同業他社と競争入札をする必要があります。既存の工法だけでは、同業他社との競争に勝つことができないので、他社との差別化可能な新技術を常に開発していくことが必要になります。 今後、東京オリンピックや中央新幹線事業などが始まるにつれて、さらなる技術開発を行うことになります。 |
Q. | 授業や卒業研究など,大学(大学院含む)で学んだことが,今の仕事にどのように活かされているか教えてください. |
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A. |
今の仕事で活かせていることは、(1)大学で学んだ学問と書類の作成方法、(2)物事の多視点の捉え方、(3)時間の有効な使い方。この3点です。
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Q. | これまで関わってきた仕事の中で,印象に残ったもの,例えば達成感の得られた仕事や悔いの残った仕事,などについて教えてください. |
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A. |
一番印象に残っている時は、現場から現在の所属先に異動した時だと思います。大林組の土木職員は、入社してから1か月程度の研修を行い、現場へ異動となります。私の所属現場は、お客様の工場敷地内での土壌?地下水浄化工事でした。現場では、日々の業務に追われながら、言われたことを覚えることに必死だった記憶があります。夏頃になると、日々の施工管理だけでなく、現場内での環境関連業務を任される機会が増えてきたことで、独学で必死に勉強して、お客様との直接協議も増えてきました。何度か協議を繰り返しながら、最終的には、私が担当していた工事で追加工事をいただきました。その後、現在の所属先に異動してからは、現場支援や客先協議が中心業務となっており、現場所属時に、現場業務以外で必死に勉強してきた内容や協議方法などが、色々なお客様や局面において、直接仕事に結びついていると実感できていることを非常に嬉しく感じています。 |
Q. | 現在の勤務先に就職して,大学時代にやっておいたらよかったと思うことは何でしょうか. |
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A. |
現在は、環境関連の仕事をしていますが、業種的には建設会社ですので、海外の仕事などが非常に増えています。そのため、卒業生の皆さんが仰る通り英語をやっておくべきだと感じています。 また、基礎的な勉強もした方が良かったと思います。例えば、数学の微分?積分や統計学などは、受験や単位のために学生時代に一生懸命勉強しますが、徐々に忘れていきます。こういった基礎的な勉強は、業務でも使うことがありますので、やっておいて損はないと思います。 しかし、一番やっておくべきことは、趣味を見つけることだと思います。勉強ばかりで大学生活を送るのではなく、遊びや恋愛など色々な経験をして、人生の趣味を見つけることが一番大切なことだと思います。 |
Q. | 現在環境システム学科で学んでいる後輩やこれから環境システム学科を受験しようと思っている高校生に向けてアドバイスをお願いします. |
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A. |
このご時世ですので、テレビや新聞などのメディアで「環境」という言葉を耳にする機会は非常に多いでしょう。環境システム学科を受験する方は、「環境を勉強したい!」という気持ちで一杯だと思います。ただ、「環境」と言っても、漠然としたイメージでしかないと思います。「環境」は、どの学問でも出てきます。例えば、「地球温暖化対策や水環境を勉強したい。」という場合、一つのことだけ勉強しても中々学ぶことができないと思います。「環境」を学ぶためには、非常に幅広い学問を勉強して、それを様々な視点から対象を見ることが大切だと思います。環境システム学科に入学すると、自然環境?建築設計?土木?CO2削減対策など幅広い学問を学ぶことができます。最終的な卒業研究や就職活動では、一つのことに特化することになりますが、幅広い学問を学べることは、絶対にプラスになります。皆さんが環境システム学科に入学することを心から楽しみにしています。 |
※2014年10月1日現在の調査に基づいて記載しています。