紀州経済史文化史研究所(紀州研)は、経済学部と教育学部の2学部しかなかった1951年(昭和26)当時の和歌山大学で、学部の枠を超えた共同研究の場として設立された伝統ある施設です。研究の中心となっていたのが歴史学研究で、経済学部の「経済史」、教育学部の「文化史」を名に冠しております。以来、紀州の歴史、文化?自然についての研究、資料収集、成果の公表、展示を通して、地域社会の発展に寄与することを活動目的としています。
大学博物館としての紀州研―展覧会―
紀州研は教育学部の前身である和歌山県師範学校から引き継いだ資料、また紀州藩家老三浦家文書や加太向井家文書(寄託)といった和歌山県指定文化財のほか、和歌山や泉州に関する数多くの史資料を収集しており、全国的にも知られています。2007年(平成 19 )、博物館相当施設となりました。2023年博物館法の改正により、2024年に指定施設となった大学博物館でもあります。図書館棟(西5号館)の3階に展示室があり、毎年、常設展、企画展、特別展を開催しています。
【左】企画展「企画展「唐人復興!―和歌祭における唐物様(唐船?唐人)―」」(2017年)
【右】特別展「移民と和歌山2023 記憶と遺物の継承~過去から現在、そして未来へ~」(2023年)
☆展覧会のようす(YouTube:和歌山大学公式チャンネル)
?特別展「1969:和歌山大学の全共闘運動」(2021年)
?企画展「和歌祭―渡物と練物―」(2021年)
?常設展「紀伊半島の文化遺産」(特集:小滝徳五郎と海草郡郷土史コレクション)
シンポジウムの開催
紀州研では創設以来、和歌山に関係するさまざまな講演会やシンポジウムなどを開催しております。
【左】「移民の歴史をめぐるシンポジウム:広島と和歌山から」(2023年)
【右】学術シンポジウム「紀氏の刀剣-新発見!!紀伊の銀象嵌大刀-」(2022年)
教養科目「わかやまを学ぶ」
紀州研では「わかやま」がもっている固有の情況について歴史的?文化的?社会的視座で捉えながら、専門家の目を通して学ぶ教養科目「わかやまを学ぶ」を前期金曜4限に開講しています。紀州研に所属する所員(教員)を中心にそれぞれが出会い、興味を引かれ、真剣に探究してきた「わかやま」を講義しています。わかやまで学ぶ入口として活用してください。
紀州研ボランティアの募集―博物館の活動をともにつくりあげてみませんか?
紀州研では、博物館としての展示活動、また紀州地域学を基盤にすえた資料の整理作業、和歌山県下を中心とした各地域への調査?研究を実施しています。
本学学生を対象として、これらの活動をともにになう紀州研ボランティアを募集いたします。紀州研の展示や教育活動および地域に興味がある方はぜひご参加ください。
和歌祭および県下祭礼への参加―民俗芸能(無形民俗文化財)の継承
5月に開催される和歌祭や7月に開催される田辺祭への参加?調査
和歌の浦の紀州東照宮の例祭である和歌祭では、2010年の和歌祭唐船での御船歌の復興、そして2017年には352年ぶりとなる唐人の復興を紀州研が参画して実現してきました。これらの復興活動が評価され、2023年10月にサントリー文化財団によって和歌祭保存会に地域文化賞が授与されています。無形民俗文化財を継承するこの活動に参加してみませんか?
【左】和歌祭―唐船御船歌 【右】田辺祭―お笠の曳行
資料調査整理
紀州研所蔵資料および県下調査資料の目録およびweb公開の準備作業を行なっております。Ex:古典籍?古文書?古地図?絵葉書?民俗資料?民俗芸能?移民資料等
【左】和歌山高等商業学校資料整理 【右】移民資料の撮影
展示準備や受付の補助
紀州研の展示(企画展、特別展、常設展)準備作業や運営の補助としてオープンキャンパスでの受付を募集しています。
【左】オープンキャンパス受付 【右】展示準備