「紀ノ川流域をフィールドとする自主演習」
「紀ノ川流域をフィールドとする自主演習」
~地域のシニアアドバイザーと学生のコラボレーションによる地域の活性化~
が文部科学省現代GPに採択されました
現代GP報告書はこちらからダウンロードできます。(pdfファイル195MB)
申請テーマ
地域活性化への貢献(広域型)
取組期間
平成19年度~21年度
取組名称
紀ノ川流域をフィールドとする自主演習
~地域のシニアアドバイザーと学生のコラボレーションによる地域の活性化~
取組の内容
紀ノ川流域は、比較的狭い面積にも拘わらず経済地理学、自然地理学、歴史文化など様々な観点において非常に変化に富んだ地域であり、いわば、教材の宝庫である。その西端に位置する和歌山大学では、学生自主創造科学センターが中心となり、学部横断的、学際的な紀ノ川学を新しい教育システムとして提案し推進してきた。その特徴は地域住民をシニアアドバイザーに登録し、学生の自主的な活動である自主演習を教員と共に指導することである。本取組はこの紀ノ川学をさらに充実させることで、多くの学生をキャンパスから地域に送り出し、幅広い教養を持ち多角的に物事を捉えることができる社会性豊かな人材を養成する。その際、地域住民がシニアアドバイザーとして教育活動に参画することで、地域と大学との連携が深まるだけでなく、住民自身も地域の課題に真剣に向き合う機会を持つことができる。また地域の生涯学習も活性化し、その結果として地域再生に貢献する。
採択理由
本取組では、紀ノ川流域の住民と協力して、物事を多角的、総合的に判断でき、豊富な人的ネットワークを持つ人材を育成しようとしています。そのため、自らが課題を設定するタイプの演習を、学外のシニアアドバイザーと連携を取りながら進めようという手法はユニークです。しかも地方自治体や農協との協定がすでにできているだけではなく、シニアアドバイザーとして36名の人材が確保できている点は評価できます。
また、全学的な体制で地域連携に取り組む基盤がすでに出来ており、紀ノ川学による教育研究体制が整備されていることが伺えます。これからのことは15年度に選定された特色ある大学教育プログラムの「自主性創造性を伸ばす教育方法の開発と推進」で取り組んできた成果の発展としてとらえることができ、その意味ではすでにこれまでの実績を踏まえた取組であると考えることができます。シニアアドバイザーを評価委員に加えるなど、適切な評価体制が整っている点も評価できます。
歴史的に重要な役割を担った地域でありながら、経済的に停滞が見られる地域の活性化に対して「紀ノ川学」の確立が役立つと期待できます。