- センター長 尾久土正己 観光学部教授が「平成21年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)」を受賞されました。
- この賞は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進などに寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発などに寄与する活動を行った者に贈られるものです。
マルチメディアを駆使した天文学の理解増進
業績
科学技術離れが進む中でも天文分野は比較的市民の関心の高い分野になっているが、その関心の多くは神話や星座占いといった科学とはかけ離れたものになっている。
本活動は、まず1993年、内外の研究機関の最新の研究成果を各地の公開天文台へ配信する「公開天文台ネットワークPAONET」を提唱した。1995年には、みさと天文台から土星の輪の消失現象など世界最初大規模な天文現象の生中継を行った。続いて、地球の裏側の教室と天文台をインターネットで結ぶことで、時差を逆手に昼間の教室での天体観測の可能にした。1997年のシベリア皆既日食で、ライブ!エクリプス実行委員会を結成し、世界で最初の大規模な皆既日食のインターネット中継を行い、その後13回の皆既日食などの天文現象を世界中の市民に映像を配信している。2005年の日食以降は、観測地の空全てを高精細映像で撮影しプラネタリウムで再現する新しい中継を提案、実践している。さらに、より幅広い層の市民の関心を集めるために、天文学と音楽を融合した企画を多数行っている。
本活動により、科学に関心のない市民の天文現象への関心をひくことができ、天文分野の理解増進に寄与している。
主な著書 尾久土正己「美里から宇宙へ~インターネット天文台」岩波書店