- 前センター長(H17.4~H19.3)宮永健史 名誉教授(元教育学部教授)が「平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(理解増進部門)」を受賞されました。
- この賞は、青少年をはじめ広く国民の科学技術に関する関心及び理解の増進などに寄与し、または地域において科学技術に関する知識の普及啓発などに寄与する活動を行った者に贈られるものです。
出前型実験工作教室による科学への理解増進
業績
若者の理科離れ?科学技術離れを克服するためには、大学?大学院における高等教育の改善と同時に、高校生以下の子ども達に、科学の楽しさ?すばらしさ?社会的有効性を伝えること、および学校教育において実験観察を多く取り入れた魅力的な授業を実施できる教員を、多数養成することが大切である。
本活動は、ボランティア団体「実験工作キャラバン隊」を組織し、地域の小中学校、教育委員会、PTA、市民サークルなどの要請に応じて出かけていき、子ども達に「実験工作教室」を開くものである。当日子ども達を直接指導するのは教員を目指す学生達であり、大学教職員は事前の準備段階で学生達を指導している。2002年7月から2007年2月までの間に「実験工作教室」を115回開催し、5000人を超える子ども達が参加した。アンケート調査では、子ども達のみならず、同席した保護者や学校教員のほとんどが「おもしろかった」と答えている。
本活動により、多くの人たちに科学の楽しさ、すばらしさを伝えることができた。参加した学生の実践的指導力は大きく向上している。この活動は正規授業の事前実習の場としても活用されており、科学教育面で高い能力を持った教員を養成することに大きく寄与している。
主要論文
「『実験工作キャラバン隊』による出前実験工作教室」、
日本物理学会発行「大学の物理教育」、Vol.10、pp 47~50、2004年3月発行