1背景と目的
昔からアイデアを発想する能力が重視されており,発想支援に関する研究が多く行われています. また,アイデアを発想する能力が低下する原因として,日常生活でアイデアを発想する機会が減少していることが挙げられています. 日常生活におけるアイデアの発想を支援する発想法の提案も行われていますが,継続的な発想を支援することは難しく, 日常的にアイデアを発想するためには様々な工夫が必要です.
本研究では,マーカレスARを用いることで「もの」を介してアイデアを日常的に共有するシステム「ものぴこん」を開発しました. 本システムでは、人々が日常的に持ち歩いているスマートフォンを利用しています. 本研究の目的は,日常にあふれる実世界の「もの」を用いて,「もの」自体や周辺の場から受ける視覚刺激と,不特定多数の人によるアイデアを共有することによって受ける刺激から新たなアイデアを誘発することです.
2発想支援システム「ものぴこん」の概要
「ものぴこん」は,「もの」に対するアイデアの記録と共有を支援します. スマートフォンで「もの」にアイデアを付与します. 本システムの構成は図1のようになっています. なお.本システムではスマートフォンとしてAndroid端末を利用しています. 「ものぴこん」は,アイデアを表示するAndroid端末とアイデアを保持するサーバとで構成されています.
図1. システムの構成 |
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3実世界の「もの」に対するアイデアの関連づけの流れ
アイデアの関連づけの流れは図2のようになっています.
(1) 「もの」の登録
「ものぴこん」を用いて,アイデアを関連づけたい「もの」をAndroid端末のカメラで映し,「もの」に関する情報をサーバへ送信します.
(2) アイデアの登録
発想したアイデアをテキスト入力し,サーバへ送信します.タイトル欄にアイデアを表す一文,詳細欄にアイデアの説明を入力し, 登録ボタンを押してアイデアを「もの」と関連づけます.
(3) 関連づけられたアイデアの表示
関連づけられたアイデアは,再度「もの」をAndroid端末のカメラで映すことで取得できます. 「もの」の上に取得したアイデアのタイトルが表示されます. タイトルをタッチすることでアイデアの詳細を見ることができます.
図2. アイデアの関連づけの流れ |
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4デモムービー
連絡先
- 松原 嘉那子:s145043 at center.wakayama-u.ac.jp
- 吉野 孝:yoshino at sys.wakayama-u.ac.jp