【開催レポート】第4回ワダイノLIVE「天地明察 ~ 地球を測る、宇宙を観る ~」
公開日 2024年11月01日
第4回ワダイノLIVE「天地明察 ~地球を測る、宇宙を観る ~」を下記のように開催しました。
話題提供|秋山 演亮(アキヤマ ヒロアキ)和歌山大学イノベーションイニシアティブ基幹 教授
開催日時|2024年10月22日(火)19時?20時30分
開催方法|貝塚市立善兵衛ランド ①対面参加、②オンライン同時配信(ハイブリッド開催)
参加者数|オンライン参加者 56名 会場参加者16名 合計72名
講演内容|秋山先生には、日本独自の太陰暦を作り上げていく天文暦学者?渋川春海と、岩橋善兵衛のお話から、日食、月食のお話し、そして宇宙開発人材育成まで、楽しいお話が盛りだくさんでした。
秋山先生からLIVEでの講演後、下記のように追加のコメントをいただいていますので、ご紹介します。
① 伊能忠敬さんの測量器具で方位磁石はどの程度の精度だったのでしょうか?
→作り方次第、目盛りの読み込み方次第です。
磁石という意味での精度を言えば、磁極は必ずしも真北ではなく、場所によっても異なるためその分を補正しないとズレます。というより、そもそも地球表面でどこを真北と定めてどのように座標系を定めるのかでも大きく変わってきます。設定の問題なのか、計測誤差なのか、その辺を考えないと意味をなしません。
② 1月1日は、どのようにして決めてますか?
→1月1日というより、春分点(天の赤道と黄道(太陽の経路)が交わる点)が先に決められて、そこから割り振って1月1日の、公転軌道上での地球の位置が決められます。
③ 岩崎善兵衛と伊能忠敬の関わり合いについてももっと知りたかったです。望遠鏡だけの関わり合いだけであったのでしょうか?双方とも江戸幕府の推奨であったと思うのですが???
→まずお詫びを。善兵衛さんの苗字は岩崎ではなくて岩橋でした。スミマセン<いつも善兵衛さんと呼んでるので苗字間違いが。。。講義でもお答えしましたが、私もそこまでは抑えられてません。
おそらく手紙を中心にやり取りがあったと思いますが、その道のプロのお話を私も聞きたいです。
④ 地図作製で時間が重要という事を言われていましたが、時間の計測で、例えば日時計を使った場合の分解能はどの程度でしょうか。また、誤差要因で一番大きい要素は何でしょうか。
→さまざまな誤差要因があるので。それぞれの日時計の設計?製造?読取機構次第です。またいずれも太陽地球系座標が固定して、無限遠の距離にあると考えてるため、銀河面での移動など恒星運動はそもそも漏れてきちゃいます。もっとも何を持って1日と定義するかで、その問題は解消されたりもしますが。
どの誤差要因が大きいかはそれこそ測定装置次第なので、なんとも言えません。
⑤ 貝塚という田舎の地に善兵衛ランドという変わり種の施設があることが誇りです。ちなみに善兵衛さんは岩橋さんですので、よろしくお願いします。
→はい、スミマセン。いつも善兵衛さんとばかり呼んでたので、苗字をうっかり間違えました。大変失礼しました。貝塚の地に善兵衛ランドがあるということは、世界に誇れる事だと思ってます!
⑥ 太陽系はほぼ水平の理由
→良い疑問点です。太陽系形成論?林モデル?原始太陽系円盤などのキーワードで検索してみてください。
⑦ 大林組の宇宙エレベーターの構想を実施したと聞きましたが、今後の動きはどう思われますか。
→とりあえずこのまま進まないと思います。少なくとも地球に関しては。理由は講義で述べたとおりです。
以上