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【開催レポート】第145回わだい浪切サロン「誤った謝り方ではすみません!?」 ~アメリカのテレビドラマに見る「謝罪」とその受け入れ~」

公開日 2023年05月19日

第145回わだい浪切サロン「誤った謝り方ではすみません!?~アメリカのテレビドラマに見る「謝罪」とその受け入れ~」を下記のように開催しました。

話題提供|梅田 礼子氏(和歌山大学 クロスカル教育機構 教養?協働教育部門 准教授)

開催日時|2023年4月19日(水)19時?20時30分

開催方法|南海浪切ホール1階多目的ホールおよびオンライン講演(ハイブリッド開催)

参加者数|対面参加者18名 オンライン参加者31名 合計49名

講演内容|

今回は、「誤った謝り方ではすみません!?~アメリカのテレビドラマに見る「謝罪」とその受け入れ~」と題して、アメリカのテレビドラマの中で使われる「謝罪」などのシチュエーションでどんな言葉が用いられるかを中心に、英語と日本語の言葉の違いの底には文化の違いなどがあることを梅田先生からお話していただきました。会場からは突っ込んだ質問があり、先生の方から下記のように改めてご回答をいただいています、

先生からのサロンの感想?質問への回答|

(1) 講演を終わってのご感想、参加者の皆様へ何かございましたらご記入ください

お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございました。

 まだコロナ禍のため、会場内で活発な議論、とは行きませんでしたが、大きく頷きながら聞いていただいたり、質問も出していただいたりして、皆さんの熱気を感じることができました。教員にとって、聞き手の皆さんの熱意は大いなる刺激になります。

 ありがとうございました。

会場も、初めて訪れたのですが、ギリシアのパルテノン神殿のようで、このような素敵な場所で皆さんと一緒に勉強できるのは光栄でした。

 また、英語や日本語、英語勉強法、言語、洋楽(ポップス?ロック?ジャズなど)、アメリカテレビドラマなど、もし皆さんのご興味と、私が説明できることが合致すれば、話題提供させていただき、皆さんと一緒に考えてみたいと思っています。

(2) 質問に対するご回答など ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ? ?

ドラマのお勧め:サロンではドラマのシーンをいくつかご紹介しました。

著作権の関係上、動画リンクを配布したりはできませんが、英語の勉強や、文化の違いを知る、そして楽しい!ので、ぜひDVDや配信サイトなどで正規に御覧になってください。ご紹介した「ビッグバン?セオリー」は日本語字幕付きのDVDがあいにく途中のシーズンまでしか発売されていませんが。英語字幕のものはあります。

他にも、「フレイジャー」「フルハウス」「フレンズ」「ダーマ&グレッグ」などは健全で、お子様が一緒でも楽しむことができます。その他、少しきわどいジョークもありますが、大ヒットした「隣のサインフェルド」も面白いです。シリアスなのでは刑事もの「クローザー」(殺人現場の映像が時々きついですが)、コロンボのような刑事もの「モンク」、弁護士もの「ザ?プラクティス」がお勧めです。 

(3)質問に対するご回答など

いただいた質問やコメントに十分にお答えできていなかったかと思うので、補足いたします。

【当日会場での質問内容】(1)

レストラン等で注文の品が届いたときウエイターがアメリカでは「Thank you for your waiting」
とするが日本「お待たせしてすいません」との違いがあり、アメリカでは相手の立場で日本は自分の立場になっていると思うが、自分中心の米国の文化でなぜこのようなことが起こるのか?

当日はチップの話をしましたが、アメリカでこのような状況で、I’m sorry to have kept you waiting./ I’m sorry for the wait. (お待たせしてすみません)のような表現よりも、Thank you の方が一般的かな? 

重大な過失があって、謝るべき場面ではしっかり謝るが、日本のように、日常生活で(他の文化に比べて小さなことで)たくさんの場面で頻繁に謝るということはないようです。

レストランのウエイターが遅れていた料理を運ぶという状況では、ウエイターの心情も日本と諸外国とで違うかもしれません。日本ではウエイターはお店の一員、お客さんを待たせたことをお店の一員として詫びる。しかし、分業が徹底している文化だと、調理が遅れたのは自分のせいではない、調理担当の人たちの責任、と考えるかもしれませんね。

もちろん、それは個人やお店?企業によって異なるかもしれませんので、一括りにして語ることはできないですが。

日本文化では本当に、日常生活でよく「お詫び」表現を使いますよね。

ちょうど先日、年老いた母に付き添って外出した時、脚がおぼつかなくなって早く歩けないためか、バスに乗るとき、降りるとき、周りの乗客や運転手さんに、「すんません、ありがとう、すんません、ごめんなさいね、すんません、ありがとう」と何度も何度も謝っていました。思わず「そんなに謝らんでええよ」と言ってあげたほどです。) 自分の行動が遅いから周囲に迷惑をかけている、申し訳ない、という気持ちと、待っていただいていることへの感謝と、両方でしょうね。

それから余談ですが、そもそも料理の提供時間が日本では諸外国に比べて速いと思います。

ヨーロッパの国いくつかと、アメリカの都市いくつかを訪れた経験からですが、ヨーロッパ、特にフランスやスペイン、イタリアでは、注文してから30分くらい待たされることもよくありました。注文が通っていないのかな、と確認したほどです。

私が行くのだからそんな高級店でなく、普通のレストラン。味付けも飾りも凝っていない、ごく普通の料理ですよ。日本なら5分くらいで出てきそうな料理です。

待っている間にワインと会話を楽しむ。食事、特にディナーなら注文時のウエイターとの会話(本日のお勧め、ワインのお勧めなど)から楽しんでいるような感じかな?

旅で感じた異文化、改めて気づいた日本文化?事情、はまた今後お話しする機会があれば…。

【当日会場での質問内容】(2)

アメリカでは謝罪だけでなく、その後裁判が行われると言われていますが、どのような顛末になるのでしょうか?補償などは?

社会?文化の違いについての貴重なご質問、ありがとうございました。

事案によるので一概に顛末、賠償金額などは言えないですが、日本よりも訴訟の多い社会で、賠償金額も高額なことが多い感じがしますね。この辺りは専門家ではないので、いろいろと調べてみたことをお知らせします。

「アメリカは訴訟社会」とよく聞きますが、実際にどうなのでしょう。一つの目安として、主な国の弁護士数を調べてみました。(2019年のデータ)*

人口が異なるので、弁護士1人当たりの国民数で比較すると、日本3,075人に対して、アメリカ260人です。日本に比べ、アメリカは約12倍、つまり、より少ない人数に対して弁護士が1人いる、ということです。

その他多い順にフランス999、ドイツ498、イギリス382です。この最も多いフランスに比べても、日本における弁護士1人当たりの国民数は約3倍です。

(*日本弁護士連合会 「基礎的な統計情報」(2019年)「諸外国との弁護士?裁判官?検察官の総数比較」)

さらに、日本でも都道府県別にみると、一番弁護士数が多い東京でも弁護士1人あたりの人口は672人、2位の大阪では1847人、京都3150人、もっとも弁護士数の少ない秋田県では12,800人、アメリカの49倍です!(日本弁護士連合会「基礎的な統計情報」(2021年)8.各指標と弁護士数の比較(1)弁護士1人あたりの人口比較)

 さらに、「訴訟件数」で調べてみると、エールグループという企業のサイトに「日米の訴訟制度を比較してみた」という記事があり、とても参考になりました。少し引用してみると、

「人口10万人当たりの訴訟件数は日本が651件、米国が3,095件(法社会学(第2版)村山眞維?濱野亮)という報告によれば、人口比の訴訟件数は米国が日本の4.7倍ということになります」とのことです。

また、アメリカで訴訟が多い背景を、国民性ではなく、制度の違いによるのでは、と考察していました。(日本でも「小作争議」や「労働争議」では結構な数の訴訟があったとのこと。)、特に弁護士報酬の違いが大きいのではないか、という考察です。

「米国の弁護士報酬は、タイムチャージ制稼働時間に単価を乗じて算出する方法)のほか、成功報酬制によることも多いです。純粋な成功報酬制の場合、勝訴すれば勝訴金額の何割かの報酬を支払うことになりますが、敗訴しても弁護士報酬を支払わなくてすみますので、弁護士報酬の支払資金を気にすることなく提訴できる訳です。

日本では、純粋な成功報酬制とすることは稀であり、着手金として数十万円を最初に弁護士に支払うのが一般的です。弁護士報酬は勝ったら払うという訳にはいかず、日本で提訴するにはある程度の持ち出しが必要という点は、持ち出しがゼロ(即ちノーリスク)の米国の純粋な成功報酬制の場合とは大きく異なります。

なお、日本では訴訟額に応じた金額の印紙を訴状等(例えば、訴訟額1億円の訴状には32万円)に貼付しなければならない点も米国とは異なります。」

一般的になんとなく「裁判するにはお金がかかる」というイメージを持っていましたが、実際そのようですね。

さらに、この記事では次のようにまとめていました。

「他民族国家である米国では、権利や自由を実現するためには訴訟を利用するのが最も手っ取り早いという場面も多いのかもしれません。」「米国で訴訟が多いのは、単に弁護士が多いからではなく、お金がなくても訴訟を提起して勝訴できるという制度が整備されているからと考えます。権利や自由を実現するための社会的装置としての訴訟制度が、日本でもより身近になるといいですね。」

 確かに、権利や自由が侵された、困っているという状況で、裁判費用の壁があって泣き寝入り、では良くないですね。

 ドラマでは、ボストンの貧乏弁護士事務所の活躍を描いたドラマ『ザ?プラクティス~ボストン弁護士ファイル』では、そうした訴訟、弁護の様子を見ることができて興味深いです。

 同じ製作者が、逆にリッチな人たちの弁護をして高額報酬を受け取る、華やかな弁護士の活躍を描いた「ボストン?リーガル」というドラマもほぼ並行して作って、放映していたようです。こちらは華やかさ、シルベスタ?スタローンなど大物ゲストの登場、ところどころのコミカルタッチ、が売りの番組。私は前者が好みです。

 実生活ではなかなか見ることのできない弁護士の準備作業や裁判の様子が見られるので、テレビドラマでもいろいろと勉強になり、おススメです。

「契約?約束」について

おそらくアメリカは開拓の歴史?他民族国家であることなどから、土地の契約など「契約」という意識が日本より強いのではないかなと思っています。(また調べてみたいと思います。)そして、この「契約」が日常会話にも出てきます。

日常会話にもよく出る “It’s a deal.”や“Deal.”は、何か約束事を話し合って決めた時に、「じゃあ、これで決まりね」という感じで使われる表現です。 “deal”は「商取引、契約」という意味で、他にも「お買い得品、掘り出し物」「トランプでカードを配ること、持ち札」という意味もあります。

?サロンでもご紹介したアメリカのコメディドラマ『ビッグバン?セオリー』では、天才だけどやや自己中心的なシェルドンが「ルームメイト契約」という規約を作っています。ルームメイトのレナードや、その彼女ペニーに「エアコンの温度を勝手に変えるのは第〇条違反だ」「お客を泊めるには前日までに知らせる、と第〇条にあるだろ!」と、たびたび契約違反だ、と責め立てます。

エイミーという女性と付き合い始めた時には「恋人契約」を作ったほど! 契約文書を書くことも大好きのようで、嬉々として作成、「追加条項」の必要が出たときは「ヤッター! 追加条項作成タイムだ~!」と喜んでデスクに向かいます。そんなシェルドンと話が合うエイミーのこと、エイミーも、「恋人契約にサインして」と言われたら「なんてロマンチックなの!」ですって! 

【当日オンライン参加者からのコメント】

日本語も難しいですが『すみません』がスタンダードな標準語で??よく似た言葉で「すいません」や「すんません」もよく聞きます。関西の方言では「すんまへん」もありますが、使い分けでなくその人の人柄も出ていて良いものだと思います。(大阪堺市 S様) 

素敵なコメントをいただいていて、ありがとうございました。そうですね、方言は温かいものですね。方言といえば思い出される句があります。

「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」石川啄木

(故郷の岩手県の方言が懐かしくて、岩手の方言を話す声が聞こえないか、と停車場の人混みに出掛けた。停車場はおそらく上野駅。)素晴らしいですね。

上野駅といえば、井沢八郎さんの歌う「ああ上野駅」(作詞:関口義明、作曲:荒井英一)、「就職列車に 揺られて着いた/ 遠いあの夜を 思い出す/ 上野はおいらの 心の駅だ/ 配達帰りの自転車を とめて聞いてる 国訛り」、いい歌詞、素晴らしい歌唱に涙が出ますね。

方言は大切にしたいですよね。私は京都出身ですが、名古屋に住んでいた時にボーカルスクールの体験に行って、お話していたら、「大丈夫ですよ、関西弁そんなに出ていないですから」と言われて、とても驚きました。方言を「隠すべきもの」と思っているなんて!

以上、皆さんの熱意に応えようとして、あいまいだった点を調べたりしていたら、回答が遅く、文章が長くなってしまいました。『こんな長い文章、読みとうないわい!』というお叱りの言葉もなく、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

講演風景|

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以上

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